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フィリピンの「イード・アル・フィトル」というイスラム教の祝日について



フィリピンの教育都市バギオに立地する語学学校「A&J e-Edu DC Academy」の日本人マネージャーである荒木さんより頂戴したニュースレターで『フィリピンにおける「イード・アル・フィトル」というイスラムの祝日』についてご案内いただきましたので、一部を抜粋して以下にご紹介させていただきます。

フィリピンでは、「イード・アル・フィトル」という祝日が、5月13日(木)にありました。

この日はイスラム教(ムスリム)の義務の一つ、ラマダンの断食の終了を祝う大祭です。
フィリピンは国民の83%がカトリック、その他のキリスト教が10%で、合計93%ほどがキリスト教徒という、圧倒的キリスト教の国なのですが、イスラム教徒も5%ほどいて、ミンダナオの辺りでは、人口の2割以上がイスラム教徒となっています。

古くは1300年代後半、イスラム教徒が交易を通じて布教し、イスラム教が広がっていましたが、その後のスペインによる植民地時代に改宗され、キリスト教が現在のように広く浸透した歴史があります。
なお500年前、世界一周中のマゼランをセブ島で戦い、死に追いやったフィリピンの英雄「ラプ=ラプ」はイスラム教徒で、キリスト教への改宗を迫るマゼランに反発したとも言われています。

お話しを戻して、今年のラマダンは、4月12日(月)から始まっており、一ヶ月後の5月12日(水)が終了日でした。
『今年の』と書きましたが、イスラム教では一般的な暦とは別の暦を使用するため、ラマダンは毎年開始日が変動します。
ご存じの方も多いと思いますが、ラマダンの1カ月の間には、断食が行われます。
この断食期間は、太陽が出ている時間の飲食が禁止であり、太陽が沈む夜には飲食が可能です。
さすがに1カ月の間、ずっと飲まず食わずという訳ではないものの、日中は飲み物も禁止であるため、日の出前に十分な水分を取って、日没まで脱水症状にならないように対策をする必要があるようです。

日本人の自分の感覚ですと「日中に飲食できないとか、どこの罰ゲームよ!?」と考えてしまいますが、このラマダンの断食は、自らイスラム教の信仰心から行っているものであり、この期間は「欲望を抑えること」を学び、「食に感謝」をし、「心身をリセットする」ためのものだそうで、つまりイスラム教の人たちはそれが当然のことなので、罰ゲームなどではないのです。
はい、すみません。

それに日が沈むと、近隣住人が集まって、皆で楽しくお食事会などが開かれることもあり、この期間に太る、いわゆるラマダン太りに陥る人も少なくないようです。
したがって、断食と聞いて単語通りに想像してしまうほど殺伐とした感じではないようです。

イスラム教に関しては、私も含めて皆さんもあまり馴染みのない人が多いのではないでしょうか。
それもそのはずで、日本では700人に1人の割合(0.24%)しかいないようです。
馴染みがなさすぎる上に、良くない報道を目にすることも多いため、イスラム教=恐ろしいものと考えてしまいがちですが、イスラム教を世界人口で考えると、4~5人に1人の割合(約23%)になり、実に世界16億人もの人がイスラム教徒なのです。(キリスト教22億人30%、仏教3.8億人5%)
もちろん地域による偏りはありますが。

私は昨年留学で日本を出て、紆余曲折ありながらも現在もフィリピンで生活をしています。
世界に出ると、日本の常識は世界の常識ではないことを、知識だけではなくこの身を持って知ることができました。
そんな中で、知らないから、避ける、拒否する、恐れてしまうのは、非常にもったいないことであり、知らないからこそ興味を持って、正しく理解することで、恐れは消え、今まで自分になかった世界が広がることを実感しました。

今回この「イード・アル・フィトル」という祝日があったお陰で、今まで自分になかったちょっとしたイスラム教の知識が増え、偏見が少し減ったように思います。
やはり、いつでもどこでも理解することって大切ですよね。


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