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日本を代表する大手企業の中で"独自路線"を進む『LIXIL』


トステム、INAX、新日軽、東洋エクステリア、サンウエーブ工業の5社が合併して生まれた住宅設備機器業界最大手のLIXILは、住宅設備において、ほぼすべての分野で日本一を誇る企業です。  

大手日本企業の古い体質を脱却すべく、2016年に「工具のアマゾン」とも呼ばれるMonotaROをはじめとしたさまざまなベンチャー企業を立ち上げてきた瀬戸欣哉氏を代表に招聘しました。  

瀬戸氏は就任早々、取締役を50%削減し、社員とのコミュケーションを積極的に図り、現場で働く従業員の声をもとに人事編成を行い、現場からの情報が社長に滞りなく届くネットワークを自ら構築し、巨大企業の中にベンチャーの風を吹き込みました。  

今でも、『スーツで出社すること』が日本の大手企業では一般的ですが、同社ではそのようなルールを一切排除し、会議もスムーズに行えるよう、立席型会議室等を新設し、結果として大手企業にも関わらず、風通しの良い企業に生まれ変わりました。  

社員を大切にする社長の考えから、新製品の試作段階での失敗は財産と考え、「今後どのように生かせるか」ということにフォーカスし、社員も自らが失敗を恐れない環境ができ、社員のモチベーションの変化からこれまで生み出されなかった斬新な新製品をハイペースで市場に送り続けてもいます。  

瀬戸社長は東京大学を卒業後、大手商社である住友商事に入社し、その後アメリカの支店に赴任、現地ではダートマス大学でMBAを取得し、エリート路線で順風満帆な人生を送ってきましたが、当時はインターネットが普及し始めた頃でもあり、その際に創業当時の「Amazon」に出会いました。  

アメリカでのAmazonの影響もあり、eコマースを商社のビジネスに応用できないかと考え、日本で最も労働人口が多い建設業界に目を付け、結果として「工具のアマゾン」とも呼ばれるMonotaROを設立しました。  

LIXILのような巨大企業が、資本関係のない企業のトップを自社の社長に指名することは極めて珍しいことですが、LIXILの成功をきっかけに、今後は他社でも同様の人事があるかもしれません。  

瀬戸氏のように、海外での発見をビジネスに生かすことは最近では一般的になってきており、近年急速に進むグローバル社会の中で生き残るためのヒントでもあるかもしれません。