留学前無料英会話レッスンのからくり
これまでに留学エージェントにお問い合わせをされ、カウンセリングをお受けになった方の中には『無料英会話レッスン』という言葉を耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
「申込特典として“無料英会話”をお付けします!」
確かに、これは一見メリットしか感じない文言に見えます。
実際にFUJIYAMA Internationalでも海外留学やワーキングホリデーなどの前には「渡航前に何を勉強したらいいでしょうか?」というご質問を度々頂戴いたします。
そこで、当社でも導入を検討し、レッスン風景などを視察をさせていただいた時期もあったのですが、いまひとつ導入には踏み切れませんでした。
理由は以下の3つです。
- 受講レベルがばらばらのままの茶話会のようなものであったこと。
- 手数料を取らざるを得なくなること(ビジネスモデルそのものを変える必要があること)。
- 日本国内では、レッスンで学んだインプットをアウトプットしてモノにする環境が用意できないこと。
まず、レベルがばらばらですと「積極的に話す学生」と「部屋の隅っこで黙り込む学生」に分かれます。
20人~30人ほどの部屋の中に、講師が1人。結局話せる生徒しか話していない。
残念ながら、こういった環境下では、英語力向上には向きません。
また、レベルがきちんと分かれていないため、フリートークがメインになってしまい、English Speakerであれば誰でも講師ができてしまいます。
次に、『無料』と聞いて、「なんて良心的なサービスなんだ!」と信じて疑わない方も少なくないのではないでしょうか。
「無料」英会話とは、「実は無料ではない」という事実に気付いている方は、思いのほか少数なのです。
これは、10~20万円の留学手数料・手配料の中から、英会話の運営費を捻出しているという仕組みです。
つまり、全く同じ留学プログラムに申し込むとこのようになります。
留学費用 | |
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A社(手数料あり) | 70万(※無料英会話レッスン付帯) |
B社(手数料無料) | 50万 |
そうであれば、B社で申し込み、浮いた20万円分、自分のレベルや目的に沿ったレッスンをご受講された方が、「費用対効果」が高いのではないでしょうか。
最後に、当社のお客様でも10年間英会話スクールに通われていながら、全く話せない方もいらっしゃいました。
原因は、ひとえに"覚えた表現を使う場が日本にはない"からです。
例えば、「歌がうまくなりたい」として、カラオケ本で歌詞をひたすら暗記する努力はしたものの、歌う練習をしなかったため、全く歌唱力が上がらないのと同じです。
そうであれば、本当の意味で効果的な事前準備は「日本の文化」や「世界情勢」について知ること。
会話の引き出しを増やす努力をした方が、留学後にコミュニケーションの幅が圧倒的に広がります。
英語で「神風特攻隊って何ですか?」、「日本の首相はなぜ、頻繁に変わるのですか?」と聞かれて、すぐに答えられる方は意外と少ないのではないでしょうか。自分の意見を持つ訓練は、日本語環境でも十分にできます。