カナダCo-op(コープ)留学プログラム
カナダのCo-op(コープ)留学プログラムとは、通学期間と同期間分、カナダの有給インターンシップの経験を積めるプログラムです。語学学習→専門知識の習得→有給インターンシップの3ステップで構成されています。語学留学のための学生ビザ、1年間限定でカナダ人と同じ生活が許可されるワーキングホリデービザと異なり、「語学学習」と「海外就労」の両方を経験できるカナダ独自の制度です。他国にはない制度とも言えます。帰国後に就職活動を見据えた大学生の方やキャリアアップ・キャリアチェンジを希望している社会人の方に人気のプログラムとして注目を集めています。コロナ禍以降、急増したとも言われています。
カナダCo-op(コープ)留学プログラムとは?
専門留学を実現する方法=Co-op(コープ)
Co-op(コープ)は主にカナダのキャリアカレッジ、日本で例えるならば、専門学校や短大のような教育機関で提供されている留学プログラムです。ワーキングホリデーのように年齢制限はありません。
Co-op(コープ)留学の特徴とは
- キャリアカレッジで学習した期間=有給インターンシップの期間
- コース卒業後、Diploma/Certificateという修了証を発行してもらえる
- 専門分野の学習、インターンシップはそれぞれ最短6ヶ月間から参加可能
- 学ぶ専門分野=インターンシップ先の職種や業務に関連するもの
- カレッジでの学習期間中はアルバイトも可能 ※語学学校通学期間中はアルバイト不可
Co-op(コープ)留学参加条件
学歴:高校卒業以上
英語力:IELTS 4.0 / TOEIC 500 / TOEFL 45以上推奨
Co-op留学は高校卒業以上の方で心身ともに健康な方であれば、原則どなたでもご参加いただけます。
英語力が不足している場合は、カレッジ入学前に英語研修と追加することができます。希望するカレッジのコースによって英語力の条件は異なります。ビジネスやホスピタリティのコースは低め、ITやデジタルマーケティングなどは高く求められる傾向があります。
Co-op(コープ)留学サンプルスケジュール
例1)9ヶ月の場合 | |
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1ヶ月間 | 英語研修 |
4ヶ月間 | 専門分野の学習(アルバイト可能) |
4ヶ月間 | インターン |
例2)1年間の場合 | |
2ヶ月間 | 英語研修 |
5ヶ月間 | 専門分野の学習(アルバイト可能) |
5ヶ月間 | インターン |
例3)1年半の場合 | |
6ヶ月間 | 英語研修 |
6ヶ月間 | 専門分野の学習(アルバイト可能) |
6ヶ月間 | インターン |
カレッジではどんなことを学べるの?
大きく分けて次の3つのカテゴリーに分けられます。
①ホスピタリティ系プログラム
ホテルや観光関連に特化したプログラムで、例えばホテルや旅行会社の経営、マネジメント、業務オペレーション、営業など、ホテル・観光業界に関する知識を1から学ぶことができます。観光産業の強いカナダだからこそ、有意義な知識の習得や経験を期待できます。
こんな人におすすめ
- ホテル、観光業界への就職、転職を目指している大学生、社会人
- 観光資源が豊富なカナダで経験を積みたい大学生、社会人
- 人とコミュニケーションをとるのが好き、将来は接客関係の仕事をしたい大学生
インターンシップ先例 | ホテル業界、観光・旅行会社、飲食など |
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②ビジネス系プログラム
カナダのカレッジではさまざまなプログラムが提供されていますが、やはり王道はビジネス関連のプログラムです。例えば、マネジメント(プロジェクト管理やリーダーシップを学ぶ)やマーケティング(集客や広報、セールスを学ぶ)、その他にも流通や貿易(国際貿易、輸入・輸出関連業務を学ぶ)コースがあります。
こんな人におすすめ
- 将来を考えるうえで基盤となる経験をしたいと考えている大学生
- ビジネスシーン全般で使われる英語や知識、経験を得体と考えている大学生、社会人
- まだどんな業種・職種に就くかはまだ決めていないがCo-opに挑戦したいと考えている大学生、社会人
インターンシップ先例 | 商社、物流、メーカー、マーケティング・広告代理店など |
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③IT/WEB系プログラム
近年注目を集めるプログラミング・エンジニアリング(WEB制作、アプリ開発などに伴うコーディングスキルなど)、デザイン(Illustrator、Photoshopなど)デジタルマーケティング(SNS運用やSEO対策、リスティング運用など)を学べるコースがあります。
こんな人におすすめ
- IT業界に興味がある大学生、社会人
- IT業界に転職を希望している社会人
- 将来はフリーランスとして活動したいと考えている大学生、社会人
インターンシップ先例 | Web制作会社、アプリ開発会社、SaaS系企業、広告代理店など |
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Co-op(コープ)留学の魅力5選
さまざまな魅力をもつCo-op留学ですが、ここでは特に注目を集める魅力を厳選し5つ紹介します。
①有給で働けるから留学費用を抑えられる
留学を検討する際に真っ先に気になるのは「留学費用」ではないでしょうか。できる限り費用を抑えて渡航したいと考えるのは皆さん共通のことかと思います。費用を抑える方法として①料金の抑えられる学校に通い、安い滞在先を見つける、または②渡航先で働くことでカバーする、という二つの選択肢がございます。
Co-op留学をする際にも語学学校期間はアルバイトができませんし、カレッジ期間も週20時間という縛りがあるため、最初の期間は出費が多くなります。しかし、その後のインターン期間は週40時間のフルタイムで働けるため、インターンを開始した後は生活費を賄うことが可能です。
バンクーバーの位置するブリティッシュ・コロンビア州の最低基本時給はCAD16.75(2024年3月時点)、日本円で約1,700-1,900円です。語学学校に通っている間、飲食店等で週20時間のアルバイトした場合の収入は約10万円-13万円/月、インターンを始めてから週40時間勤務した場合は約20-25万円/月ほどの収入を得られることが予想できます。
カナダの語学学校通学時の学生ビザでは働くことができないため、学生ビザで働くことのできるオーストラリアを選択される方も多くいらっしゃいますが、Co-opを利用すれば、語学学校だけではなくカレッジに通い、働くこともできるので一石二鳥どころか一石三鳥です。
また、30歳までの年齢制限があるワーホリのタイミングを逃してしまった31歳以上の方もご利用いただけるので、働きながらの留学が可能になります。
②「語学だけ」の留学と差別化できる
一昔前までは「留学=語学学校で英語を学ぶあるいは学校に通う」が一般的なイメージでしたが、現在は多くの方が留学中に働くことも視野に入れています。働くことも留学の醍醐味であり、一つの目的となっています。
日本帰国後にはせっかく留学したのだから英語を活かせる会社に就職したい、転職したいと考える方も多くいらっしゃるかと思います。しかし、英語にかかわる仕事の就活・転職活動の際には帰国子女や日本で英語を熱心に勉強してTOEIC850以上持っているような人材とも同じ土俵で戦うことになります。そんな時に「海外で実際に働いたことがある」という経験値は強力な武器となります。
Co-op留学の際のカレッジ卒業時には修了証(CertificateやDiploma)が発行され、英語+αの技術や経験を持っている証として日本帰国後や現地就労に大いに活躍するのではないでしょうか。
③飛躍的な英語力向上が期待できる
語学学校への通学のみの留学のデメリットとして現地のカナダ人と関わる機会が少ないということが挙げられます。
Co-op留学では語学学校にも通いますが、カレッジに通ったり、アルバイトをしたり、インターン先で仕事をしたりする際にはネイティブや英語堪能な留学生とともに過ごすことができ、実際の生活の中で英語を使う機会を格段に増やすことができます。
特にカレッジではディスカッションやプレゼン、エッセイ作成など仕事に活かせる内容も多く、英語+専門知識+仕事でつかえるスキルなどを得られます。また、カレッジの友達やインターン先の上司、同僚と話すことで机上の英語ではなく、「生きた英語」を身につけることができます。
④日本でのキャリアは関係なし!転職や海外就職も視野に!?
カナダのCo-opプログラム最大の特長であり強みは、日本での学歴や過去の職歴が一切関係ないということです。
他国でのインターンシップの際には大学での専攻や過去の職歴に関係する職種・業種に制限されますが、Co-op留学であれば現地でカレッジに進学するため、新しいことに挑戦するチャンスを得ることができます。大学で学んだからこそ、社会人として働いてみたからこそ他に気になる分野や挑戦してみたい職種を発見することがあるかと思います。
そんな時にCo-op留学は人生の選択肢を広げる機会になるのではないでしょうか。
⑤年齢制限なし!31歳以上でも参加可能
①でも触れましたように、Co-op留学には年齢制限がございません。
ワーホリは1年間有効で最大半年間の語学学校通学、最大1年間のフルタイムでの就労が可能なビザですが、30歳までという年齢制限があるうえ、定員制限や抽選があり、渡航したいタイミングで確実にビザを取得できる保証がございません。
それに比べ、Co-op留学であれば定員もなく、年齢制限もないので30歳以上の方でもご利用いただけることは大きな魅力です。
ワーキングホリデーとの違い
ワーホリは、参加に伴い英語力や学歴は求められません。しかし、年齢やビザの有効期限が制限されています。また例年の要項によると定員制限があり、抽選式です。一方、Co-op留学では、参加するコースの期間によってビザの有効期限が異なります。9ヶ月間から2年間で渡航される方が多く、ワーキングホリデーよりも長い期間、カナダに滞在することができます。
項目 | ワーキングホリデー | Co-op |
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対象年齢 | 18-30歳 | 制限なし |
ビザの有効期限 | 1年間 | コース期間+1ヶ月 |
ビザの定員 | 6,500 | 制限なし |
ビザの延長 | 不可 | 可能(条件あり) |
就労可能な時間数 | 制限なし | 英語研修期間:不可 カレッジ期間:週20時間
インターン期間:週40時間 |
必要な英語力 | 不問 | TOEIC500〜 ※足りない場合は語学学校を追加 |
最終学歴 | 不問 | 高卒以上 |
Co-op(コープ)プログラムを持つ人気カレッジ
Co-opのプログラムはカナダの公立・私立のカレッジで提供されています。ここでは、カレッジ入学に伴う英語研修や留学生に対するサポート体制の充実度の高い、私立のカレッジを中心に人気カレッジをご紹介します。
EC
- ビジネス
- ホスピタリティー
- テクノロジー
- ツーリズム
特徴 |
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専門学校への移行時にはECパスウェイ専門スタッフのサポートがあります。30歳以上のキャリアアップ&チェンジ希望者には、30+プログラムでの英語コースがおすすめです。 |
ロケーション |
バンクーバー、トロント |
英語力 |
IELTS4.0 〜 IELTS5.0 |
Tamwood Careers
- ホスピタリティ&ツーリズム
- フード&ヴィバレッジ
- インターナショナルビジネス&マネジメント
- ウェブディベロップメント
- UI/UXデザイン
- デジタルマーケティング
特徴 |
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Tamwood CareersのコCo-opプログラムは、ビジネス、ホスピタリティ&ツーリズム、テクノロジーの三つの分野で開講されています。期間が長くなりがちなテクノロジー系のプログラムも、インターン含め1年間で終えられるプログラムが多くあります。 |
ロケーション |
バンクーバー、トロント、ウィスラー |
英語力 |
IELTS5.0 〜 IELTS5.5 |
ILAC IC
- ビジネスコミュニケーション
- セールス&マーケティング
- ビジネスアドミニストレーション
特徴 |
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ILAC ICはCo-opプログラムにおいて、インターンシップ先企業紹介を100%保証していることから、高い人気と注目を集めるカレッジの一つです。カナダ最大規模の語学学校ILAC(アイラック)を併設しているため、英語力に自信のない方でも安心です。 |
ロケーション |
バンクーバー、トロント |
英語力 |
IELTS4.0 〜 IELTS5.0 |
CICCC
- カスタマーリレーションスペシャリスト
- ホスピタリティマネジメント
- インターナショナルビジネスマネジメント
- デジタルマーケティング
- UI/UXデザイン
- ウェブ/アプリディベロップメント
特徴 |
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CICCCのCo-opプログラムは、ウェブやモバイルアプリ開発、UI/UXデザイン、デジタルマーケティング、ネットワーク&システムソリューションなど、テック系プログラムを豊富に取り揃えています。インターン先業への就活サポートが手厚い点も魅力です。 |
ロケーション |
バンクーバー |
英語力 |
IELTS4.5 〜 IELTS6.5 |
Greystone College
- ビジネスコミュニケーション
- インターナショナルビジネスマネジメント
- カスタマーサービス
- デジタルマーケティング
- データアナリティクス
- フロントエンド / フルスタックディベロップメント
特徴 |
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Greystone Collegeはビジネス、テクノロジー、デジタルマーケティング、ホスピタリティ、教師研修の分野で、実務経験を組み合わせたプログラム(Co-op)を受講することができます。日本人スタッフも在籍しており、インターン先紹介実績も豊富です。 |
ロケーション |
バンクーバー、トロント |
英語力 |
IELTS4.0 〜 IELTS5.0 |
Co-op(コープ)留学気をつけるべきこととは?
とても魅力的なCo-op留学ですが、その一方でとても頑張らなければいけない留学でもあります。ここでは、Co-op留学に挑戦するうえでご留意いただきたいことをいくつかご紹介します。
インターンシップできるかどうかは確約保証されているわけではない
インターンシップ先を保証することができないことは一つデメリットと言えます。
日本での就職と同様、履歴書を送り、面接を行い、合格したら採用という流れがあり、英語力やカレッジでの成績、面接での印象など採用までスムーズにいく方と難航する方と人それぞれです。カレッジからのサポートなども期待できますが、だからと言って確約されているわけではないことをご了承いただく必要がございます。
インターンは有給でない場合もある
インターンシップには有給と無給があるので、必ずしも有給の会社で収入を得られるわけではありません。
バンクーバーの位置するブリティッシュ・コロンビア州では無給インターンは認められていないため、必ず有給インターンになりますが、トロントの位置するオンタリオ州では無給インターンが認められているため、無給または有給でインターンをすることになります。
<有給インターンのメリット・デメリット>
有給なので収入を得て生活基盤を作ることができることはメリットと言えます。
しかし、企業からすれば勤務可能期間に制限のある外国人よりもカナダ人または永住権を持っている英語ネイティブまたはほぼネイティブを雇う方がメリットがあるため、英語学習者として採用を手にするハードルはかなり高くなります。ホテルのベッドメイキングや清掃、お皿洗いなどであれば見つけることは可能ですが、IT分野など専門性の高い職種の場合は高い英語力、高い専門知識を持っている必要があります。
<無給インターンのメリット・デメリット>
無給なので収入がない状態で働く必要があり、渡航前にカナダでの生活を維持できるだけの貯金をする必要があります。
もしお金に余裕があれば、ITなどの専門的な分野でもスタートアップ企業や小企業など人材不足の会社にて働ける可能性が高くなるので、インターン後のキャリアアップやスキルアップを目的とした方には経験を積む場となります。
コープは就労ビザではない
Co-opは就労許可のあるビザですが、厳密にいえば就労ビザではありません。
永住権(エクスプレスエントリー)を取得する際にCo-op留学は有利になると考える方もいらっしゃいますが、これはあくまで学業の一環であるCo-opでしかないため、特典としてカウントされません。
なお、永住権についてはビザコンサルティングサービスを提供する会社にご相談くださいませ。
さいごに留学計画を立てよう
いかがでしたでしょうか。今注目を集めているCo-op留学について、その概要、特徴、魅力など掴んでいただけていたら幸いです。最後の、気をつけるべきことあるようにあなたが留学のプランは、皆さんの目標や目的、予算や現在の英語力などによって最適解が異なります。